やっと落ち着きました…。

 卒業式→生徒総会→終了式→学年部会→要録作成などなど、忙しすぎる日々がやっと終わりつつあります。

 学級で取り組んだ「ストップモーションムービー」は、終了式前日までかかって撮影が終了。その後、編集…。DVDを人数分コピー。何とか日にちが変わる前に完成しました。

 しかし、テレビのドラマのようにすべてがうまくいったわけではありませんでした。

 学校に来られない生徒が3人いました。そのうち、2人は撮影になんとか参加しました。もちろん、友達の声かけなどアプローチを行った結果です。しかし、どうしてもあと1人が参加できません。

 帰りの会で、みんなでその友達のことを考え、どうするか考えました。メッセージカードをみんなで書いて送ったり、友達が配布物を持って家に行ってみたり、メールでやりとりしたりと、みんなでできることを考え、実行してきました。もちろん、保護者の了解を得てですが。

 そこで、「DVDのレーベル面にタイトルを書いてきてもらおう」という案が出されました。そこで、保護者に事の成り行きを説明し、話しを持ちかけて頂きました。数日後、保護者から「やはり、できないようです。」と連絡がありました。本人は、「自分は取組に参加できていない。みんなが一生懸命に取り組んでいるものだから、軽い気持ちでは書けない」という気持ちをもっていました。責任感の強いその子らしい答えでした。

 終了式が終わり、大きなスクリーンのある部屋で上映会を行いました。

 上映が終わって、「この作品の中には、全員の映像は入っていません。しかし、だからといってこの取組が失敗だとは思いません。だって、この取組を行うことで、みんなは友達のことを考え、友達のために行動を起こすことができた。この取組を通して、みんなの気持ちが通い合い、ひとつになれた。その結果、このDVDはみんならしい作品になったじゃない」と伝えました。

 

 作品は、シナリオから配役、撮影スケジュール管理、撮影まですべて生徒たちの手によってつくられました。決して上手な作品とはいえませんが、自分たちの手で、みんなが1つの学級目標に向かって活動できました。その活動の中で、私自身が生徒から学ばせてもらいました。

 

 私は、学校に来られなくなった生徒の事を、みんなに話せないでいました。解決に向けていろいろ試していましたが、よい結果につながらず、自分自身の中で行き詰まっていたのが正直なところでした。しかし、生徒から「今日、○○くんのところに、配布物を持っていきます」「昨日、○○さんとメールして学校に来るようにそれとなくすすめたよ」「○○さんにメッセージカードをみんなでつくりたいんですけど」「○○くんが学校に来たらすぐに教えて下さい。ぼくが、話しをしにいきます」「学校に来られていない人にどんな方法でアプローチできるかみんなで話し合いたいのですが」などの声がどんどん上がってきました。保護者にも、学級の現状を理解して頂き、私も積極的に話しをするようになりました。ある意味、自分が行き詰まっていることを露呈することにもなるのですが、話しをするようになって、生徒だけでなく、私も学級の輪の中にいるのだと実感できるようなった取り組みとなりました。