教師と生徒が同じ「?」を抱く?

理科の授業は、生物の後半。

「無脊椎動物の分類」をやっていました。

 

授業の前に、もう一人の先生から

「軟体動物とその他の動物という記述が教科書にあるのですが、どういう風に説明していますか?」

「軟体動物には、イカやアサリがいて、その他の動物のくくりにナマコやクラゲがいるんです。」

 

 

「ん~。(私は、生徒に教えないから、説明していないのでとは言えず)多分、進化の過程で枝分かれした祖先が違うんじゃない?だって、イカには貝殻が退化した烏賊骨があるし、アサリには貝があるやん。でも、ヒトデやナマコにはそんな部分がないやん。

 

私は、物理と地学を専攻していましたので、はっきりとした明確な回答をすぐに出せませんでした。

その先生も、何となくは分かっていたんだと思うんです。

 

その場は、それで相手の先生がなんとなく納得したような感じで終わりました。

 

では、私の『学び合い』の授業ではどうだったでしょう?

「じゃ、今日は、無脊椎動物をさらに細かく分類できるから、それについて学習します。」

「では、どうぞ!」

 

みんな教科書を見て、読んで、友だちに聞いて学習を進めます。

25分ぐらい経って、ある生徒が「先生、ナマコは軟体動物じゃないんですか?」

 

きました!同じ疑問です。

「確かに!グニャグニャしているからナマコも軟体動物っぽいよね。でも、違うって教科書には書いてある。何がちがうんやろね?」

敢えて、自分の考えは伝えず、解決に向けて考えさせました。

 

10分後…。

 

「先生!見つけました!!」

生徒は、満面の笑みでやってきました。

 

生徒の手には、「理科用語辞典」(常に授業で自由に使っていいようにしている)をもってきました。

そのには、原生生物から動物の進化の枝分かれの図が書かれていました。

「えーと。ナマコは棘皮動物で、クラゲは腔腸動物で原生動物からすぐに進化したもので、軟体動物はかなり後になってからでてきた生物です。」

 

「なんか難しいね」

 

「進化が進むと体のつくりが複雑だから、ナマコやクラゲは単純。でも、イカやシジミには貝が退化したものや貝殻があるから複雑???」

 

「確かにそうやね!みんなも同じ疑問をもっているかも?」

 

生徒は、嬉しそうにみんなに教えて回っていました。

 

多分、一斉授業は「イカやシジミは軟体動物。ナマコやクラゲはその他の動物です」で終わっていたと思います。

 

『学び合い』では、深い学びが生徒とできます!!