本日の授業は、「偏西風」
課題は2つ。
第1問 昔の帆船が、アジアからメキシコまで行くルートとメキシコからアジアまで帰ってくる航路が行きは北側で帰りは南側になるのはなぜか?(航路の地図はつけています)
第2問 日本(成田)からジェット機でアメリカ(ロサンジェルス)まで行くと約10時間かかる。でも、アメリカ(ロサンジェルス)から日本(成田)へ帰ってくるときは約11時間30分かかる。なぜ?
第1問は、偏西風にのるために北側のルートでメキシコへ、帰りは貿易風にのるため南側のルートをとる。
というのが欲しい解答でした。
ここでの生徒のつまずきは、偏西風と貿易風の向きではなく、「帆船」の読み方とどんな船なのかでした。
S:「ほせん?」
T:「いいえ、はんせんと読みます」
S:「船?」
T:「パイレーツオブカリビアンに出てくる船」
S:「あー」
といった感じでした。次は、写真をもっていきます(joj)
第2問は、科学的に考えていました!
生徒の考えは…
アメリカは日本から東側にある。行きの飛行機は東に向かって飛ぶ。ここまでは、いいのですが…。
地球は西から東に自転しているやろ?
だから、飛行機が飛んでいる間に地球は東に移動するやろ?
飛行機の速さと自転の速さってどっちが速いの?
子どもたちは、「地図帳」の世界地図のページをぐるっと丸くして、クルクル回していました。
しかし、子どもたちは重大な科学的な見方に気づこうとしています。
「 相対速度」と「慣性の法則」です。
飛行機の速度をV1とし、地球の自転速度をV2とすると
V1>V2でないとアメリカの方向に進めないと子どもたちは考えていました。
しかし、飛行機の速度は自転している地球上から見た速度であり、宇宙空間に静止している観測者から見た速度はV1+V2となります。
そこで、「慣性の法則」の登場です。
わたしは、ペンを軽く投げ上げました。当然、まっすぐ上がり、まっすぐ落ちてきて手のひらにもどってきました。「これがヒント」
カンの良い生徒は気づきます。「なんなん?」隣近所の生徒が質問します。
きました!「あーね」の連発です。
「動いている物体は、動き続けようとする」
つまり、地球上にいる飛行機はすでに、V2で東方向に移動している。だから、飛び上がってもV2の速度を保持し、自らの推力でV1+V2で飛行できる。
これで、第1段階クリア。
あとは、すんなり考えることができていました。
偏西風が、「追い風」になる行きと、「向かい風」になる帰り、だからか!
厳密には、もっと複雑な要素が絡んでいる問題ですが、中学校の理科の範囲では十分な議論が行われたと思います。発展的な内容は、予測できない反応が見られて、生徒も教師も楽しいですね!!