全研で…

 昨日、全研授業をさせて頂きました。

 単元は、中学3年理科「仕事の原理」です。内容としては、滑車(定滑車と動滑車)の仕事の量を比べ、道具を使ったどの場合でも、直接手で行った仕事の量と変わらない。これを「仕事の原理」という。という内容です。ちょっと難しい内容です。

 場所は、一般教室。実験道具の滑車を教卓に設置。自由に扱えるようにしていました。

 さぁ、授業スタート。「初めの話は10分以内!」と決めていましたので、必要最小限の話で止めました。「はい ど…」生徒が動き始めました。「どうぞ」は言わせて欲しかった…。

 まず初めに、滑車の実験装置に飛びついたのは、Aくんでした。A君は2年生のとき、定期考査で30点未満しかとれませんでした。セルフイメージが低い生徒でした。しかし、3年生の中間考査で84点をとった子です。ほかの生徒も課題に取り組んでいます。大勢の先生から見られていることもあってか、一段と動きがあります。無駄話をしている生徒は一人もいません。

 しかし、今日の課題は難しい。10分経ってもだれもクリアしません。そんなとき、A君が「先生!動滑車で力が半分で済むのは、手と天井の2カ所で支えているからでしょ?」「そう!その通り!!」このポイントはその時点で誰も説明できていませんでした。「おーい A君は気づいるぞ!」そういうと仲間がA君の所に集まります。A君は照れならがも、最高の笑顔で説明していました。

 学級の中でには、「もうだれも信用できん。どうせ私は嫌われている」と数時間前に泣きじゃくっていたBさんがいました。「どうなるだろう」私は心配でした。ただでさえ、前回の授業は欠席で内容を理解していません。自力では時間内に課題をクリアすることは非常に厳しい状況です。しかし、何度か諦めかけましたが、友達と「わからーん」「むずかしー」と言いながらも、協力して課題をクリアしました。終了まであと5分。Bさんが私のもとへ来て「先生!私 人生で初めて友達に教えたとよ」と笑顔で自信に満ちた顔で言ってくれました。

 理科学習としては準備不足な部分があり、自分自身納得できないところもありましたが、「生徒の考え方、生き方を変える授業が『学び合い』だったらできる」と確信した授業でした。

 授業が終わり、私も生徒も汗びっしょびっしょ。みんなで「つかれたぁー」と言いながら、達成感というか充実感を味わっておりました。