生徒会指導と『学び合い』

 本年度は、生徒会指導担当となり、様々な行事に子どもたちと一緒に活動を行ってきました。そして、現在は次期生徒会へ以降する期間となり、他学年の先生から「子どもたちに生徒会で大切なことを話してください」と頼まれることがたびたびありました。そこで、今更ながらに気づいたのですが、「生徒会活動って『学び合い』じゃないですか?」


 3年生の生徒会執行部の子どもたちに就任直後に行った研修会では、始め「今のクラスには挨拶が足りないと思います。」「呼びかけを一生懸命に行っているのに、言うことを聞かない人がいます」「人をからかう雰囲気があります」などと子どもたちは現在の課題を挙げます。気づけば、黒板に隙間がなくなるぐらいたくさん出てきます。

 いっぱいになったところで、「じゃあ、あなたは何をしてきたの?」と聞くと、「注意をしました」「呼びかけを徹底しました」と言います。

 じゃあ、「あなたが注意をした人、呼びかけを徹底した人の名前を言ってください」というと、「えっ?」という顔をします。

 じゃあ、「その人が注意をされても、行動に移さなかった理由はなに?」と聞くと、「遊びたかったから」「ルールに従いたくなかったから」と言います。

 「それって、本人に確かめたの?本心なの?」と聞くと、「そこまでは…。たぶんそうだと思います」となります。

 「じゃあ、なんで確かめないの?」と聞くと、「………。」

 

 ここで、生徒に気づかせます。「あなたがたは、みんなとつながれていない。」「本気で仲間を思うなら、すでに行動しているはずである」

 人の心は、ルールでは動かない。人の心を動かすのは「人の心」でしかないということを伝えます。


 現任校は、歴史のある学校で、専門委員毎に年間で取り組む内容がある程度決まっており、後輩たちがそれを引きつぐということが当たり前になっています。しかし、これこそが、「人の心を見失う」ことにつながってしまっているのです。ルールや取り組みができたときには、仲間を思いやる気持ちがあり、「これしかない!」という気持ちのこもったルールや取り組みが、代を経ることによって、形だけが残り、「ルールありき」「取り組みありき」でことが進んでしまい、子どもたちのつながりを切ることにつながってしまっていると感じます。


 来月には、新生徒会の研修会が行われます。子どもたちが見失っている「つながり」をほじくり出したいと、今から気合いが入ります。